
ポーランドとの国境に近い、Zdiar という村で今夜はカウチサーフィンをします。
バスの運転手は、
「ここがZdiarの中心地だ」
と言って私をバスから放り出したのですが、バスの停留所すらありません。
こんな何もない所でバスを降ろされて、いったいどうしろと・・・
カウチサーフィンを利用していなければ、こんな辺鄙な村に立ち寄ることはなかったでしょう。

幸い、地図だけはあったので、現在位置を確認します。
自然に囲まれた、なかなか良さそうな場所です。
しかし、

熊が出るのかよここは。
野宿は無理だな。
なにがなんでも日没までにホストの家にたどり着かねば。

村の家には羊やヤギなどの家畜が放し飼いにされています。
これは楽しめそうだな。



道をニワトリが横切っていきます。

心が洗われる~


ホストのガブリエラに連れられて、さっそく夕食に出かけることになりました。
伝統的なスロバキア料理を食べさせてくれるお店だそうです。

ところが、歩き出して1分もしないうちに近所の人に誘われて、お酒を勧められました。
スロバキアの人って意外とオープンなんだな。

出されたお酒はかなり強かったのですが(たぶんウォッカ)、
「飲め、飲め!」
と言うので飲まざるをえません。
なぜなら、

こんな怖そうな人の機嫌を損ねたりはしたくありませんから。



次々といろんなお酒が運ばれてきます。
その度に乾杯をせねばならず、私はすでにフラフラ。
いやいや、これから私はスロバキア料理を食べに行く所なんですけど・・・

おつまみやトウモロコシも運ばれてくるので、少しくらい口をつけないと失礼だと思い、ちょっとずついただきました。
いや、でも、スロバキアの伝統料理が私を待ってるんですけど・・・

最後にみんなで一緒に写真を撮ることになりました。
なぜだか一家全員が大興奮。
「チーノと一緒に写真を撮るなんて始めてよっ!」
いや、日本人だってば。

ようやくスロバキア・レストランにたどり着く事ができました。
写真に写っているのがホストのガブリエラ。

店内に飾られている剥製は本物だそうです。
このあたりにはオオカミも出るのかよ。
危なくってしょうがねえな。


このナイフとフォークの置き方、なんかかっこいいぞ。

まずはスープから。
めちゃくちゃ美味しかったです。

スロバキアのビール!

しかし、すでに先ほどたらふくお酒を飲まされていたので、全部飲み切ることはできませんでした。
残念。



ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ポプラド~Zdiar(スロバキア)
今夜のカウチサーフィンのホストは、Zdiarというところに住んでいる。
地球の歩き方には載っていないし、なんと発音していいのかもわからない。
だからメモ用紙に「Zdiar 」と書いておいて、人に道を尋ねる時にはその紙を見せるようにした。
ポプラドでカウチサーフィンのホストを探している時、彼らのプロフィールにはきれいな山の写真が使われていることが多かった。
スロバキア人の誇る「ハイ・タトラス」だ。
だからポプラドの街からはどこからでもハイ・タトラスを見渡すことができるのだろうと思っていたのだが、バス・ターミナルからはまったく見えない。
私はこれからその「ハイ・タトラス」の中にある村に向かうわけだが、やはり遠くからの雄大な景色も見ておきたかった。残念だ。
ヨーロッパのバスは使いづらい。
日本のバスならモニターに情報が表示されることが多いし、少なくとも次の停留所名のアナウンスくらいはある。
だが、ヨーロッパのバスは実にそっけない。
なんの前触れもなく停まり、黙々と出発する。
カウチサーフィンのホストからは、ポプラドからZdiarまでは40分くらいだと聞いていたので、30分を過ぎた頃から、
「俺はZdiarで降りたいんだ」
ということを何度もアピールしておいた。
それなのに、1時間が経過してもまだ到着しない。
おかしい。
遅すぎる。
さらにバスの運転手に確認してみたのだが、彼は英語がまったく話せない。
「わかってる、わかってる」
というジェスチャーをしているが、ほんとにこちらの意図することがわかっているのか怪しいもんだ。
ポプラドを出てから1時間半ほどしてからバスは停まり、そこで放り出された。
停留所すらなかった。
横には小川が流れている。
とても牧歌的な光景だが、始めてその土地を訪れる外国人にはちょっと厳しい環境だな。
コンビニもなければ公衆電話もない。
自力で目的地に辿り着かなければならない。
幸いなことに、詳細な地図が描かれた看板がある。
それを写真に撮り、地図がわりとする。
こんな辺鄙な村、普通の日本人はまず訪れないから、もちろん地球の歩き方には載っていない。
その地図には郵便局や土産物屋、レストランの場所が丁寧に載っていた。
そしてその中にはここでのホスト、ガブリエラの家も載っている。
ただし、
「private」として記されている。
「private」、日本でいうところの、民宿のようなものか。
だとしたら彼女は俺からお金をとるのだろうか。
ガブリエラにはまだカウチサーフィンの経験はない。
俺が始めてのゲストだ。
もしかしたらカウチサーフィンのことを勘違いしているのかもしれない。
なんだか不安だ。
- 関連記事
-
スポンサーサイト